皆さんこんにちは!荒木珠里です。今月は1~10日までオーストラリアで「12 Towers Paddle Festival 2020」に出場するため海外遠征に行ってきました。(今は帰りのシドニー空港で飛行機待ちをしています。)今まで僕は主に北半球のハワイからアメリカ本土、カリフォルニア、そしてコロンビア州ゴージのレースへ出てきましたが今回は初めての南半球でした。オーストラリアは日本とは季節が逆で暑かったけれど湿気が少なくスカッとしていました。しかもゴールドコーストの砂浜は不思議で足で砂を擦るとキュッキュと音がするほどに砂が小麦粉のように細かく、気持ち良くて、そして真っ白でとても綺麗でした。最初は何の音かと思いましたが砂の音だと知って驚きました。また80歳くらいのおじいさんがビーチブレイクでボディーサーフィンをしていたり、子供のライフセーバー(ニッパーズ)たちがショアブレイクに頭から飛び込んでいく姿を見て今まで見たことのない光景を目にして、圧倒されてしまいました。オーストラリアの人たちは海を想う気持ちが皆強く、海との遊び方、付き合い方がとても上手だと思いました。
そのオーストラリアで僕は前からずっと出たいと思っていたレースに出場することができました。この12Towers Ocean Paddling Raceは土日の二日間で行われ、初日はテクニカルサーフレース、二日目はダウンウインドレースでした。初日はカリフォルニアのPPGのように凄いショアブレイクのところでレースをしました。一人ライバルがいて18歳のサムという、オーストラリアのパースに住んでいるスターボードのライダーで、身長は180cmを越えパワーがすごくて速かったです。結果はジュニアで準優勝、残念ながらサムには負けてしまいました。テクニカル、特に波が激しく崩れる海でトレーニングをしていかないと行けないな、、まだ僕はパワー負けしてしまうと感じました。
二日目メインイベントのダウンウインドレース14キロはSUPが約100人出場しました。他にサーフスキー、OC1、OC2なども入れると合計200人近い選手が出場していました。波は、グランドスエルが、右斜め後ろから左斜め前という方向で、風はちょっとオフショア気味、つまり左斜め後ろから右斜め前という方向でした。なので、ギザギザにグランドスエルと風波に乗って進んで行きました。お父さんは、周りの人に惑わず自分が信じるコースを行けと言われていたので、僕は自分のコースを進んで行きました。最初は誰がどこにいるか分からなくて、ノイックとタイ・ジャクソンが前にいることしか分からなかったので、斜め後ろにジェームズ・ケーシーがいることを知って驚きました。僕は集中して、波をしっかり見て乗りつないで行きました。自分が海に合わせているのではなく、海が僕に合わせてくれているような不思議な感覚でした。最後のショアブレークもいい波を掴んでなんとタイ・ジャクソンのすぐ後ろでエリート3位でフィニッシュすることができました。ジュニアでも1位でサムを抑えられました。僕は記憶にない頃からずっと沖縄の外洋で練習をしているので、波に合わせた機敏な動きが得意です。「体格に頼らない、僕たちにしかできない動きと技を磨け」といつもお父さんに言われているので、去年モロカイを優勝したジェームスや、昨年このレースを優勝したリーコン等、世界でも特に有名な選手達に勝つことができてとても自信がつきました。そしていつも普段の練習で勝ったり負けたりしているお父さんにも勝つことができて嬉しかったです。
でも、実はオーストラリにきた目的は、レースに出ることだけではありませんでした。お父さんが昔、何年間もトレーニングで通っていたNBSLSC(ノースバーレーサーフライフセービングクラブ)の友達に20年ぶりに再会するためでもありました。表彰式が終わった後、その仲間たちと合流して思い出話が盛り上がりました。僕も、お父さんから昔学生時代の頃の話をよく聞いていたので、その話に出てくる人たちと実際に会えるなんてとても嬉しかったです。ノースバーレの仲間は昔は全豪選手権を優勝したり、モロカイレースを優勝した凄い人達です。今はニッパーズと呼ばれる6〜17才のジュニアチームの監督・コーチをしていたり、今回も僕たちのドライバー協力をしてくれました。
昔の思い出話をしているお父さん達はとても楽しそうでした。お父さんがあんなに楽しそうにしている姿は久しぶりに見ました。僕もなぜか同じ時代にいたかのような懐かしい思いがしていました。また、毎年ハワイで会っている、M2Oを最初から作り上げてきた中心人物で、ノースバーレーSLSCの伝説のコーチ・ミックとその仲間と一緒に朝の5時15分からハードな朝練をしました。海は昔からずっと人の絆をつなげてくれているんだなあ、と思いました。
今回の旅は、レースは勿論、その前後で家族のような人たちとの絆を深めることができたので大きな意味があった旅でした。こんな経験ができる僕は本当に恵まれていると思います。後援会の皆さんいつもご協力・ご支援本当にありがとうございます。次の遠征に向けてまた練習を頑張ります。
Keep Paddling. 荒木珠里 / 荒木珠里メルマガ vol.3から引用
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